1966年
チェコスロヴァキア
監督:ヴェラ・ヒティロヴァ
出演:イヴァナ・カルバノヴァ/イトカ・チェルトヴァ
14Feb.'08 UPLINKにて
★★★★★
映像はあまりに斬新。他に言葉がみつからない。
ファッションも、かわいい。 Aラインのワンピース。
水着や下着姿以外の、
姉妹の服はずっとシンプルなこの形だった。
インテリアも奇抜だけど、ポップで楽しい。
古さは微塵も感じられない。
40年以上もたった今でさえ新しい。
この凄まじいセンスのよさだけで大満足だったので、
内容がいまひとつよくわからなくても、
ま、いっかって感じだった。
じゃじゃ馬姉妹の自由奔放なだけの映画なのかと思っていた。
が、最後に 「踏みにじられたサラダだけを
可愛そうと思わない人にこの映画を捧げる」
とテロップが出ると、
やっぱりその背景にいろんなものを抱えているのだろうと、
察してしまった。
1966年のチェコスロヴァキア。
社会主義政権下にあってのこの自由奔放な映画。
しかも監督は女性。
ヴェラ・ヒティロヴァ監督はこの映画を撮ったために、
7年も活動休止を余儀なくされている。
彼女はこの作品のHPで、男性を批判している。
女性問題だの何だのということではないと思う。
が、 女性が映画を撮るということは、しかもあの時代では、
とても大変なことだっただろうと想像できる。
社会主義という抑圧と、そして女性だという抑圧。
「踏みにじられたサラダ」は自由を奪われた国民。
「だけを可愛そうと思わない」というのは、
女性は二重の抑圧を受けているということを
理解しているということだろうか。
だから、ガーリーな映画にしたのだろうか。
今は、彼女がこの映画を撮った時代とも、
そしてHPでこの映画のことを語った時代とも、
また違ってきているだろう。
もちろん、映画を観て楽しめばいいのだと思う。
ただちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、
このことを知っていると映画が深まるかなと思った。
そういう意味で、今度はこの視線で観たいと思った。
(2008.2.15)
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿